ビバルディのバイオリン協奏曲「四季」の特徴

ビバルディのバイオリン協奏曲<四季>の特徴について

ビバルディが作曲した「四季」は本来、全12曲のバイオリン協奏曲集から構成されており、各協奏曲は各々3楽章の形式で構成されており、有名な(春)、(夏)、(秋)、(冬)はこの内の4つの協奏曲となります。

なお、「四季」という題名はビバルディ自身の命名ではないと言われております。

楽器編成は、独奏バイオリン、第1、第2バイオリン、ビオラ、チェロ、チェンバロ、コントラバスなどの通奏低音が主体とされています。

特徴的なのは、各々の楽章には、「ソネット」が付随されており、季節感、情景、状況などの雰囲気を音で表現する描写的な楽譜内容となっているところです。

ソネットは、プロバンス語に由来し「小さな歌」という意味で、13世紀には厳格な押韻構成(特別な効果を起こさせるための関連と響きを持つ形式)と特定の構造を持つ14行の詩を意味する扱いとされ、「四季」においては素朴な自然、理想的な広野(田園)を表すなどの効果がもたらされています。

更には、かつて東方海外への進出などで覇気にあふれ栄華を極めたベネチア貴族達が、より精神的な充実と豊かさを求める傾向にありました。

その結果、内陸や地方の別荘などで田園生活を好むようになり、ベネチア貴族達の憧れがビバルディの当作品「四季」に織り込まれており、この時代の世上をうまく反映させ、ビバルディが創作している点にも驚かされる一面があります。