ビバルディの協奏曲集「四季」の誕生

今回からしばらくの間は、ビバルディの代表作でもある、協奏曲集「四季」について、詳しく書いていこうと思います。

ビバルディの協奏曲集「四季」の誕生

ヨーロッパの各都市へ演奏旅行を繰り返す最中、1725年にフランスの ルイ15世(1710~1774年)の結婚を祝うセレナータ「栄光と結婚」を作曲し、フランス宮廷に3曲のセレナータを献呈しております。

セレナータは、1700年代頃に当時の作曲家が自分達のパトロンである王族や貴族に敬意を表する為に、こぞって作曲し献呈されていたと言われる小規模なオペラ様式の曲で、ビバルディのこれら3曲のセレナータもフランスのベルサイユ宮殿などの豪華けんらんな会場で演奏されたとものと考えられております。

そして現代において、バロック音楽を知らない人でも一度はどこかで聞いたことがあり、誰もが馴染みを持っていると言われている<和声法とインベンションの試み「四季」>を、同年の1725年に出版しております。

ビバルディがこの曲を創作した背景には、ベネチアを拠点に華やかなパリをはじめヨーロッパの近隣都市へ頻繁に演奏旅行で各地を移動する際に、行き先々の地方の季節感や当時の人々の生活感を常々感じとる機会にも恵まれ、自然に触れ合い躍動感にあふれた音楽で「自然」を表現する感性が研ぎ澄まされていったことが影響しているものと考えられます。