バイオリン協奏曲第2番ト単調 RV.315 「夏」について
<第1楽章アレグロ・ノン・モルト-アレグロ>
太陽の日差しがかんかんに照りつけているので、灼熱の暑さが絶え間なく続きます。
また木々が燃えそうなくらい熱くなっており、その木陰には羊飼いがぐったりと横たわり、羊達の群れが戯れている情景が表現されています。
そして、足速に一本調子で鳴くかっこうの声が、巧みにバイオリンの音色で表現されています。
かっこうより高い声でキジバトの囀り声で表されています。
心地よく吹くそよ風は、時おり吹く強い北風により突然追い払われてしまい、やがてやって来る夏の嵐を表現しています。弦楽器群が響かせる音の旋律と旋律に続いて絶え間なく奏でられる音の連続性が荒れくるう嵐を表しています。
<第2楽章アレグロ・プレスト・アダージョ>
一瞬で激しく眩い光を放つ稲妻と、地面をはうように伝わってくる雷鳴の轟きで、農夫は休憩で昼ねをすることもできなく、そこへ蜂の大群がブンブンとかん高い音をたてておそいかかってくる様子を独奏バイオリンによって奏でられています。
<第3楽章プレスト:(夏の嵐)>
やがて、農夫の心配が的中してしまい、薄暗い黒雲がどよめく上空の片すみからあらわれた雷鳴は、農夫がてしおに掛けて育ててきた穀物類を打ち倒し、だいなしにしてしまう様子が目に浮かんできそうです。