12曲のバイオリン協奏曲集には、すでに紹介した「四季」で代表する4曲の他に、まだまだ興味深い曲があります。ここでは、以下にこの中から代表的な2曲である5番、7番を紹介します。
<第1楽章 変ホ長調 プレスト>
4分の4拍子で、3回のトゥッティの間に2回のソロが挟まれているリトルネロ形式で構成された楽章となっております。
独奏のパートには、技巧的な分散和音が多く使われていて完全に終止されずに変ホ長調の属和音になり半終止する特徴があります。
<第2楽章 ヘ短調 ラルゴ>
4分の4拍子で、16小節の短い楽章から構成されており、頻繁に転調される特徴があります。この第2楽章でも完全終止しないでハ短調の属和音になり第1楽章と同じように終止します。
<第3楽章 変ホ長調 プレスト>
8分の3拍子で、5回のトゥッティの間に4回のソロが挟まれているリトルネロ形式で構成された楽章となっております。
トゥッティは、3回目のトゥッティで変ロ長調とされている個所以外は、全て変ホ長調となっております。
また独奏のパートでは、各パート毎に顕著に音型が変化していく特徴があります。