ビバルディの協奏曲第7番 ニ短調 RV.242

ビバルディの協奏曲第7番 ニ短調 RV.242について

①(ドイツの作曲家への献呈曲)
ヨハン=ゲオルグ=ビンゼル(1687~1755年)に献呈した曲と言われており、和音が含まれているため、演奏には高度な技術が要求される構成となっております。

この協奏曲では、第3楽章の独奏パート全てに二重終止の技巧が用いるので、ここでも更に高い演奏技巧が必要となる特徴があります。

尚、ヨハン=ゲオルグ=ビンゼルは、ドイツのカドルツブルク(ニュルンベルク近郊)の出身で、ドイツ後期のバロック音楽の作曲家です。

また、優れたバイオリニストでもあり、当時ヨーロッパ随一のオーケストラであったドレスデンのザクセン宮廷楽団において楽長を務めた経歴のある人物でした。

ビンゼルの残した作品数はごくわずかでしたが、音楽界への彼の影響力は多大なものであったと言われております。
当時の作曲家達とも深く交流があり、ビバルディもその内の1人でありました。

ビバルディの他、アルビノーニやテレマンなど複数の作曲家たちからバイオリン協奏曲が献呈されていることから、彼の演奏家としての非凡な才能が諸外国の作曲家達から広く認められていたことに象徴されていると思われます。