ビバルディの「ラ・チェトラ」(中編)

ビバルディの協奏曲「ラ・チェトラ」について(中編)

以下に6番から9番までの6曲の構成と特徴について記します。

⑥協奏曲 第6番 イ長調 RV348 
<第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「アレグロノンモルト」>
変則調弦があるのが特徴で、ビバルディが活動したバロック時代では、作曲者の意図するところを表現しやすくする為に、頻繁に用いられた演奏法であったことから、この時代をよく反映した曲調で仕上げられていると思われます。

⑦協奏曲 第7番 変ロ長調 RV359 
<第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「アレグロ」>
1曲目は美しい旋律を醸し出す気品さの中にも、どこかたくましさを表現する気迫を感じ取ることができます。
3曲目では斉奏が見られる特徴があります。

⑧協奏曲 第8番 ニ短調 RV238 
<第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「アレグロ」>
1曲目、2曲目では、いかにもビバルディらしい奥深い孤独感の様なものが内面からきらびやかさと共ににじみ出てくる様な表現が感じられます。
3曲目では高い技巧性を強調するだけでなく、独特の旋律が気高さのようなものを表現しようとしているのが特徴です

⑨協奏曲 第9番 変ロ長調 RV530
<1楽章「アレグロ」、第2楽章「ラルゴスピッカート」、第3楽章「アレグロ」>
1曲目は、2台の独奏バイオリンによるリズミカルなテンポの旋律が特徴です。
2曲目では、2台のバイオリンが奏でる経過的な淡々とした曲調が見られます。