バッハの平均律クラヴィーア曲集 第2巻(その8)

バッハの平均律クラヴィーア曲集 第2巻(その8)

今回は、平均律クラビィーア曲集 第2巻(その7)に続いて第2巻のフーガについて、更に掘り下げていきたいと思います。

この曲集におけるフーガの構造を大きく分類すると、主題の提示部、間の楽節、終楽節に分けられます。

主題における提示部は、主題に対して最大で5度程の音程が相違していることで、主題の旋律が引用される応答形式となっています。
これが、古典派の名高い数々の音楽家により、その様式が確立されたソナタ形式の提示部に相当するのです。

また間の楽節では、自由な対位法を聴きとることができ、これがソナタの展開部にも見られる技法でもあり、双方が似かよっていることに気が付きます。

更には、主題を転回させたり、逆行させたりといった具合でさまざまな技法を織り込むことで、この曲集の世界に例えるなら中間色とでも言える技巧性が施されているのです。

終楽章では、再び主題が登場し主旋律音とこれに付随する音が継続し保持されることで、曲の均衡性を保ち終曲を迎えるのです。

以下、残りの8曲となります。

17.BWV886 前奏曲 - 4声のフーガ 変イ長調、
18.BWV887 前奏曲 - 3声のフーガ 嬰ト短調
19.BWV888 前奏曲 - 3声のフーガ  イ長調、
20.BWV889 前奏曲 - 3声のフーガ  イ短調 
21.BWV890 前奏曲 - 3声のフーガ 変ロ長調、 
22.BWV891 前奏曲 - 4声のフーガ 変ロ短調
23.BWV892 前奏曲 - 4声のフーガ  ロ長調、 
24.BWV893 前奏曲 - 3声のフーガ  ロ短調