ビバルディ「調和の霊感」の中でも、第1番は、4つのバイオリンとチェロのための協奏曲で、3つの楽章から構成されています。
また、この4つの独奏バイオリンを使用する構成は、その作風から、まさにビバルディの初期の作品である、と思われます。
まず、第1楽章は、導入部の終わりの部分でチェロの独奏が加わり、独奏から合奏の切り替えが頻繁に繰り返される楽章が、そのメインとなっています。
第2楽章 は、平行調であるロ短調に転調し、スピッカート用法を用いて演奏しているのが特徴。
第3楽章になると、バイオリン・パートは8分の9拍子、伴奏パートは4分の3拍子と変化。
第1、第2楽章と比べてみると、第3楽章はちょっと奇妙な楽章になっています。
ちなみに「調和の霊感」の第1番は、楽章のほとんどが八分音符で形成されているといった点も注目したいところ。
中間60小節~63小節に小規模な転調があり、最終部90小節~98小節にかけても、また転調があります(どちらも短調への転調)。
そして最後は同じ旋律を、4つのバイオリンとチェロの演奏で華やかに締め括られています。