ビバルディ「調和の霊感」第12番ホ長調について

今日は、ビバルディの「調和の霊感」の中でも、第12番についてです。

<第12番ホ長調>
ビバルディの作曲した「調和の霊感」その最終番でもある第12番は、バイオリン協奏曲で、全3楽章形式からなります。

この12番からも、バッハは、チェンバロ用とオルガン用に編曲しています。
代表的な作品としては、チェンバロ用に、第3番、第12番、第12番の3曲があります。
またオルガンのために、第8番、第11番の2曲、また4台のチェンバロと弦楽合奏のための協奏曲イ短調(BWV 1065)等にも編曲されており、計6曲もあると考えられます。
このように、現存するバッハの作品の多くは、ビバルディの<調和の霊感>から多大な影響を受けていることがよくお分かりになると思います。

ということで、ビバルディの調和の霊感を第1番から12番まで順番にご紹介してきましたが、この曲は別名「調和の幻想」とも呼ばれています。
おそらくこれはイタリア語訳の違いだと思いますが、曲としては全く同じものです。
もしCDなどを探していて、「調和の霊感」でみつからないときには、ぜひ「調和の幻想」でも試してみてください。

また、世界で<調和の霊感>を収録したCDは数多いのですが、個人的にはイ・ムジチ合奏団の演奏(1999年版)をお薦めしたいと思います。

ここで、イ・ムジチ合奏団についても少しご紹介しておきますと・・・。

イ・ムジチ合奏団は、1951年にイタリアで結成された室内合奏団(13人の編成)です。
特にバロック音楽界に君臨する代表的な楽団でもあり、日本をはじめ世界中でとても人気の高い楽団の一つ。
1963年(昭和38年)に、初来日して以来、バロック音楽の火つけ役とも言われています。

日本では、ビバルディの代表作といえば「四季」をイメージする人が圧倒的に多いことと思います。「調和の霊感」を聴くことで、またビバルディの印象がすこし変わるのかもしれません。