ビバルディ「調和の霊感」第11番ニ短調について

今日は、ビバルディの「調和の霊感」の中でも、第11番についてです。

(第11番ニ短調)
ビバルディの「調和の霊感」の中でも、第11番は、2つのバイオリンとチェロのための協奏曲です。曲の構成としては、全3楽章形式あるいは全5楽章形式とも言われる合奏協奏曲となります。

第1楽章 はアレグロで 、2つのバイオリンによる独奏が続いた後に、続いてチェロの独奏が表れる構成となっています。

第2楽章は、わずか3小節の楽章から成るアダージョスピッカート で、2つのバイオリンとチェロが同じリズムで演奏をします。

第3楽章 はアレグロで、最初にチェロがフーガ(カノンと同様に同じ旋律が、複数の声部に順次に現れる特徴があり、リトルネッロと似通っている。)の主なパートを演奏し、次にビオラ、続いて第2バイオリン、最後に第1バイオリンが順番に入ってくる形式で、最終のパートでは、ビオラが主体となる特徴があります。

第4楽章は、ラルゴ スピッカートで、スピッカート奏法のシチリアーナとなっております。独奏の部分は第1バイオリンだけが担当し、ほかは8分音符だけで刻むこととなり、合奏においては伴奏に多少の変化が現れる構成とされています。

第5楽章 はアレグロ で、ここでも第1楽章と同じように、2つのバイオリンによる独奏が続いた後に、チェロの独奏が入ってきます。基本的に、十六分音符が多い活発な曲調であり、最終的には、華やかに終わっていく特徴があります。
これを原曲として、バッハは、「オルガン協奏曲 ニ短調 BWV596」に編曲しています。