ビバルディのバイオリン協奏曲「ラ・ストラバァガンツァ」について(1)

ビバルディはたくさんのバイオリン協奏曲を書いていますが、1713年、バイオリン協奏曲「ラ・ストラバァガンツァ」(作品4)を発表します。
この曲は、全12曲から構成されたバイオリン協奏曲集で、ビバルディが名声を得た作品集の1つ。「調和の霊感」作品3とほぼ同時期である、1711年から1715年にかけて発表されました。

「ラ・ストラバァガンツァ」は、ビバルディがバイオリン協奏曲を書く作曲家として開花するきっかけとなった曲でもあります。今日は、その中でも作品番号の若い順から4曲の楽章構成を書いていきます。

1.バイオリン協奏曲第7番ハ長調 RV 185 Op.4-7
第1楽章:<ラルゴ>
第2楽章:<アレグロ>
第3楽章:<ラルゴ>
第4楽章:<アレグロ>

2.バイオリン協奏曲第10番ハ短調 RV 196 Op.4-10
第1楽章:<スピリトーゾ>
第2楽章:<アダージョ>
第3楽章:<アレグロ>

3.バイオリン協奏曲第11番ニ長調 RV 204 Op.4-11
第1楽章:<アレグロ>
第2楽章:<ラルゴ>
第3楽章:<アレグロアッサイ>

4.バイオリン協奏曲第8番ニ短調 RV 249 Op.4-8
第1楽章:<アレグローアダージョープレスト>
第2楽章:<アダージョ>
第3楽章:<アレグロ>

ビバルディのバイオリン協奏曲「ラ・ストラバァガンツァ」の中でも、比較的作品番号の若い楽曲は、第1楽章から第3楽章が、<急>・<緩>・<急>の構成となっており、アレグロからラルゴへ変化したり、アダージョからアレグロへと変化に富んだ形式となっています。
ただし、第7番だけが全4楽章形式であるとの特色があります。

なお、独奏バイオリンによる協奏曲となっていることから、「調和の霊感」とは相違しており、技巧的な独奏とトゥッティが交互に入れ替わる特徴があります。