ビバルディの「調和の霊感」第5番イ長調について

今日はビバルディ「調和の霊感」の中でも、第5番について、説明したいと思います。

<第5番イ長調>
ビバルディの「調和の霊感」第5番は、ずばり「2つのバイオリンのための協奏曲」。
全3楽章形式から構成されています。

まず、第1楽章は、冒頭の音型はリトルネッロ主題として、楽章の中で生かされていますが、すべてがイ長調で登場する、というちょっとユニークな形式となっています。

ちなみに、この「リトルネッロ」というのは、一見、ロンド形式と似通っていますが、実はそれとは若干違っています。
リトルネッロの主な特徴としては、楽曲の最初と最後以外は、主調以外の調で演奏される、といったことがあるので、ぜひ興味のある人は聴き分けてみてください。

第2楽章は、旋律が美しい12小節のカンタービレ。
また、ここでは、通奏低音が休止されているといったことも特徴になっています。

第3楽章は、リトルネッロ主題8小節からなり、2つのバイオリンが独奏で交代に演奏をし、その後に、全楽器での合奏が繰り返される、といった構成になっています。

なお、第4番目に出てくる合奏のパート以外は、第1楽章と同じように、すべてイ長調で作られています。