前回、前々回と、ビバルディの転換期といえる時代について、さまざまなエピソードを中心に書いてきましたが、今日はビバルディと当時のデンマーク国王「フレデリック4世」などについてです。
<ビバルディの転換期>(後編)
1708年 ビバルディはピエタでデンマーク国王を迎えての演奏会を行い、翌年の1709年 「バイオリンと低音のためのソナタ集」出版し、デンマーク国王(フレデリック4世)に献呈しています。
ちなみに、このフレデリック4世(1671-1730)は、当時のデンマークとノルウェーの国王。
しかも当時は、スウェーデンと北欧戦争の真最中にありましたが、ベネチアの地を訪れたおりに、すでに欧州諸国で評判になっていたピエタ養育院で、ビバルディの音楽に魅了された!と言われております。
なお、このピエタ養育院は、なんと市の観光名所の1つ、とされていたそうで、それくらいすでに有名となっていたそうです。
ただし、この華やかな時もつかの間・・・。
ビバルディは音楽教師の任期切れ前に、理事会で審議された結果、再任に必要な投票数に到達せず、同年2月から1711年9月まで、一旦ピエタの職を解任される事となります。
国王に献呈までしたビバルディも、この時期は、それなりに挫折を味わっていたんですね。