ビバルディとオペラの成立

「ビバルディとオペラの成立」

1713年にビバルディは、歌劇「離宮のオットー大帝」RV.729をベチェンツァで初演しています。
初期の頃において、ビバルディの残した作品としては、器楽曲をはじめとする多くの協奏曲が中心に創作されていたと思われがちですが、その生涯において数多くのオペラも作曲している事実に驚かされます。
音楽史におけるビバルディの歌劇は、後期バロック音楽に位置付けされており、いうまでもなくこの後期のバロック音楽中のとりわけオペラを確立させた最高峰の1人とであるとされております。

今後しばらくは、ビバルディの歌劇がこの世に現れるきっかけとなった、イタリアオペラの歴史を振り返ってみると共に、その時代背景をとおして変化し発展していくバロック音楽の様式、またビバルディの創作にも影響を与えたと思われる先人達の作品にも焦点をあてていきたいと思います。
また、当時の音楽を取り巻く環境、情勢などを踏まえ、バロック音楽初期から中期にかけて、そしてビバルディ自身が活躍したバロック後期へと段階的に紹介していきたいと思います。