バロック時代初期のオペラ(2)「マドリガード」と「モノディア形式」

バロック時代初期のオペラ(2)
「マドリガード」と「モノディア形式」について

マドリガードは15~16世紀の間にイタリアで流行した世俗歌曲の一種<フロットラ>から発展したもので、最上声部を主旋律として作曲され、3声または4声のための声楽曲で、三行の詩句が二節または三節繰り返された後に、二行のリトルネッロで結ばれる形式となります。

これに対してモノディア形式は、フィレンツェのジョバンニ=デ=バルディ伯爵(1534~1612年)を中心に、知識人、文学者、音楽家などが集い諸学問に関して議論する為に結成されたサークルであったカメラータによって推奨された、通奏低音の伴奏付独唱歌曲がその成り立ちにあります。

なお、このカメラータにおいて音楽部門では、ガリレーイ=ビィンチェンツォ(1520後半~1591年)、カッチーニ=ジューリオ(1551~1618年)らの音楽家が参加していたと言われております。

ガリレーイは、1582年に<古代の音楽と現代の音楽についての対話>を刊行した人物でカメラータの音楽感における活動に大きく影響を及ぼしたとしてされております。
またカッチーニは、コジモ一世によりその歌唱力を見出されたテノール歌手で、歌曲集<新音楽>にてその優れた歌唱法と演奏法を確立しておりました。