バロック時代初期のオペラ(3)「コルシ」と「ペーリ」

バロック初期のオペラ(3)
「コルシ」と「ペーリ」について

(前回の記事から引き続いています)
カメラータは、ヤーコポ=コルシ(1561~1602年)を中心に結成された同好会のような、いわゆるサークルに引き継がれ、イタリア音楽劇を代表する作品を残した複数の作曲家と共に、その活動功績が刻まれることになります。

歴史的な音楽劇としては、ヤーコポ=ペーリ(1561~1633年)が作曲した<ダフネ>が、世界最古の歴史であると言われております。
ペーリは、このコルシの同好会にも属しておりました。
興味深いのが1594年にこの<ダフネ>の数曲を始めに作曲したのがコルシ自身であり、その大半をペーリに依頼し完成されたと言われているところにあります。
これは、劇作品が同サークルで吟味される段階を経た後に、音楽劇として世に発表されていた理解となりますが、このように考えると、彼らの同好会が当時の劇作品を創出していたと言っても過言ではないと思われます。

なお、この曲はすでにモノディア形式を現すような朗唱により、物語の全体を語る形式で構成された特徴が含まれております。
初演は、1598年にフィレンツェであったと言われております。