バロック時代初期のオペラ(7)ランディのオペラ

バロック初期のオペラ(7)
ランディのオペラについて

(前回の記事から引き続いています)
1632年にはローマのバルベリーニ宮殿劇場で、ステーファノ=ランディ(1587-1639年)が作曲した<聖アレッシオ>が上演されます。
なお、この劇場は、当時ローマで最大の権力を誇っていた貴族バルベリーニ家によって建造され、3000人規模が収容できる大劇場であったと言われております。
1644年に同一族が崩壊するまで、ローマで上演された音楽劇は、すべてバルベリーニ家が独り占めした背景があったとされております。

この作品の特徴としては、歴史上の有名な主人公を題材とした最古のオペラであったところにありました。
またランディは、牧歌劇<オルフェーオの死>などの作品も書いております。
この歌劇は、モノディア様式の独唱とマドリガーレ(多声世俗声楽曲)を程よく調和させており、また配役に喜劇様相を演出する登場人物を含めるなど当時としては新しいユニークな構成を有する作品であったと言われ、音楽劇としては、初期の頃に比べその形式を序々に変えながら、中期の音楽劇に反映されていくこととなります。

バロック時代初期オペラについては今回で終わりとします。
次回からはバロック時代中期のオペラについて、また詳しく書いていこうと思っておりますので、どうぞお楽しみに。