バロック時代中期のオペラ(4)カバッリのオペラ

バロック時代中期のオペラ(4)
カバッリのオペラついて

1639年、フランチェスコ=カバッリ(1602~1676年)が<テーティとペレーオの結婚>を初演します。

カバッリは、中期バロック期を代表する作曲家で、同地サン・マルコ大聖堂聖歌隊のボーイ・ソプラノの活動をとおしてその才能が開花し、いくつかの作品を創作したものと言われております。
また、その作風には彼自身がモンテベルディの弟子であったこともあり、総合する場面の構成法や劇的な朗誦様式がよく受け継がれていると考えられます。

また1641年には<ディドーネ>、1643年には<エジスト>を発表し、この中期バロック時代にはよく好まれた<半音階的な下降の低弦>に合わせた哀歌が用いられるなど、ベネチアの大衆に親しまれやすい作品を独自に創作しようとした時期があったものと思われます。

そして1649年には、カバッリの代表作<ジャゾーネ>を初演し、成功を治めております。
この作品は古代ギリシア神話を題材としながら、喜劇的な配役の設定と場面をも織り込ませていた特長がありました。

また、レチタティーボ、アリオーゾ、アリアの分化が見られるのも、カバッリの作品の特徴であると考えられております。