バロック時代後期のオペラ(1)スカルラッティについて

バロック時代後期のオペラ(1)
スカルラッティについて

ビバルディのオペラ創作に大きな影響を与えたと思われる同世代のベネチア派の作曲家にスカルラッティ、ツィアーニ、ガスパリーニ、ポッラローロ、ロッティらがいました。

アレッサンドロ=スカルラッティ(1660~1725年)は、パレルモ(シチリア島)に生まれ、後期バロックのオペラの基礎を確立した人物でした。
1679年に「顔の取り違え」を、1679年に「愛の取り違い」を作曲し1700年にローマで上演され好評を博したと言われております。

これらは、オペラ・セーリアと呼ばれるジャンルで3幕にて構成されており、「早・遅・早」で構成された序曲やダ・カーポ付きアリアなどが特徴とされております。

以後、同形式のオペラが1694年に「ピッロとデメトリオ」、1695年に「マッシモ・プッピエーノ」、1697年に「10人委員会の没落」などがナポリで初演されております。
また1707年には「ミトリダーテ・エウパトーレ」、1715年に「ティグラーネ」、1718年に「テレーマコ」、1719年に「カンビーゼ」、「マルコ・アッティーリオ・レーゴロ」と意欲的な作曲活動の筆跡が見られます。

なお、最後の作品は1721年の「グリゼルダ」で、スカルラッティ様式の特色とも言える多数のアリアと学曲で全体を構成しており、またすべてのアリアがダ・カーポを含む形式で作られております。