バロック時代後期のオペラ(2)ツィアーニとガスパリーニについて

バロック後期のオペラ(2)ツィアーニとガスパリーニについて

マルカントニーオ・ツィアーニ(1653~1715年)はベネチアに生まれ、バロック中期のオペラで活躍したピエートロ=アンドレーア=ツィアーニ(1616~1684年)が叔父でありました。

「スパルタの女戦士」などの作品で知られる叔父の影響を受けて育ったツィアーニは、その独特なオペラ形式と構成が、当時も高く賞賛されていたと言われております。

1674年に「幸運な女奴隷」で、1679年には「シドーネアレッサンドロ大王」、1700年には「寛大な平和」がベネチアで初演されておりますが、合計26作品あったと言われる作品のほとんどが、散逸しています。

フランチェスコ=ガスパリーニ(1661~1727年)はルッカに生まれ、1701年にビバルディにもゆかりのあるベネチアのピエタ養育院音楽学校の合唱長を1711年まで務めた人物で、この頃ビバルディはガスパリーニの下で教職を務めていました。

1724年に「ティグレーナ」を初演し以後、ダ・カーポ・アリアを主体にした代表作「アムブレート」を1706年に、1713年にはベネチアを去り、1711年に作曲した「タメルラーノ」をローマで初演しています。

また、ビバルディは1711年に再びピエタ養育院との関係を再開し、同音楽学校の音楽教師に復職しております。