バロック時代後期のオペラ(7)ビバルディの逸話

バロック時代後期のオペラ(7)
ビバルディの逸話

ビバルディが活躍した当時のベネチアでは、聖職者の多くが宗教活動とは接点の少ない音楽、オペラの上演に関わるなどして、本来の職業よりも音楽化として生計を立てようとする傾向があり、ベネチア社会自体が、比較的このような活動に寛大な面があったと言われております。

この点、ビバルディもまた、このベネチア社会情勢の恩恵にあやかった1人と言えます。
このようなビバルディの音楽家としての活動において興味深い逸話があります。

ビバルディは自身の楽譜を売る際に、確実に収益を得る為に、直筆の手書き楽譜を売るようにしていたと言われています。
更には、購入者がビバルディの曲を正確に弾けるように、バイオリンを習わせ、レッスン料を支払わせるシステムを理解させて、販売していたと言われております。

当時の著名人としてはヨハン=フリードリヒ=フォン=ウッフェンバッハも、ビバルディから合奏協奏曲集の楽譜を購入し手ほどきを受けた人物で、ドイツに帰国後にビバルディの音楽を普及させるなどしていた背景から、この点ビバルディは相乗効果を得ていたと考えられます。