バロック時代後期のオペラ(11)歌劇「怒れるオルランド」

バロック時代後期のオペラ(11)
歌劇「怒れるオルランド」(RV.728)について

ビバルディの時代にも、古代ローマをモチーフにしたり、異国情緒が漂う東洋を舞台にしたシナリオに人気がありました。
ここでは、前述にてご紹介した歌劇「怒れるオルランド」について、触れておきたいと思います。

この作品は、1727年にベネチアのサン・タンジェロ劇場で初演されております。
シナリオは、フランスのシャルルマーニュ大帝(在位768-814 )の甥の若き武将オルランドを主人公とし、物語詩「狂気のオルランド」(1516年)に基づいたモチーフで、17世紀頃19世紀まで多くの作曲家によってオペラ化されてきた背景がありました。

ビバルディも、これら世紀の作曲家として当時注目を浴びたことは言うまでもありません。

主人公のオルランドは、ダッタン王の娘であるアンジェリカに想いを寄せていましたが、恋敵となるサラセンの王子メドーロの出現で窮地に追いやられる展開となります。
最終的には、アンジェリカとメドーロの結婚がクライマックスとなりますが、オルランドはこれを祝福して終幕となります。

エキゾチックな東洋の国々を情景に、異教的の人物像が登場するこのシナリオは、当時のベネチアの聴衆の好奇心を引いて止まなかったことであろうと考えられます。