ビバルディのカンタータ(2)

ビバルディのカンタータ(2)

ビバルディがマントバで本格的にカンタータの創作活動を開始する以前より、ローマではカンタータが最も盛んに演奏される聖地となっていました。

この背景には当時ローマを中心に繁栄していたごく限られた僅かな貴族階級層が、好んでカンタータを鑑賞する習慣があったため、作曲家達はこぞって演奏会を催すなどして互いに実力を競い合い、また貴族層らも自らが出資者となり、オペラ劇場では失われようとしていた音楽の優雅さを求めるなどの傾向があったからだと言われております。

一方、マントバにおけるビバルディの務めは、けして宗教的な要素のみに片寄ることなく、フィリップ公の栄誉をたたえる創作活動であったことから、これらの背景を踏まえると、かつてローマで開花したカンタータをビバルディがなぜその多くをマントバで作曲したのか、その理由がよくお分かりになるかと思われます。

さて、以下にビバルディのカンタータを更に6曲ほど記します。

7.「涙の泉、今ぞ泣け」RV.656、
8.「立ち去る波のざわめきに」RV.657、
9.「生まれついたる厳しさで」RV.658、
10.「山鳩を求めて空しく」RV.659、
11.「蝶々は舞う」RV.660 、
12.「愛しきお前と別れて」RV.661

などがあります。