ビバルディのカンタータ(4)

ビバルディのカンタータ(4)

前述でご紹介したカンタータ自身の形式変化は、ビバルディのカンタータよりも少々前にアレッサンドロ=ストラデッラ(1644-1682年)などによって体系化されたと言われております。

またビバルディとほぼ同時期に活躍し、前述のイタリアバロックオペラでも登場したアレッサンド=スカルラッティ(1660-1725年)の作品でこの形式が見られます。

スカルラッティは、その生涯において約600曲程のカンタータを残していますが、約500曲程はソプラノの独唱と通奏低音の作品になります。

なお、1703年頃から作曲したカンタータでは、2曲のダ・カーポ・アリアの前に各々レチタティーボを伴う楽章編成を基本に構成しています。

これが18世紀を通して世俗カンタータの標準的な様式とされ、更には半音階的な和声、または大胆な展調による豊かな表現にてより形式化されていくことになり、少なからずビバルディもこの影響を受けたのではないかと考えられます。

なお、ビバルディは1720年までマントバに滞在することになりますが、この間に作曲されたカンタータを更に6曲ほど記します。

19.「お前の心はよくわかる」RV.669、
20.「春風は草を渡り」RV.670、
21.「不実な心」RV.674、
22.「涙と嘆き」RV.676、
23.「黄金色の雨のごとく」RV.686 

などがあります。