バロック時代後期のオペラ(15)ビバルディのオペラとは

バロック時代後期のオペラ(15)
ビバルディのオペラとは

これまでに前述してきたように、優れた演奏家、協奏曲の先駆者でもあったビバルディでしたがオペラの分野において、これまでそれ程の脚光を浴びることがなかったのは、実に不思議なことです。

バロック時代以降のオペラ作曲の大家達に圧倒されてきたように思われますが、ビバルディは生前、むしろオペラの作曲家として名をはせていたと言われております。

また嬉しいことに最近、世界各地でビバルディのオペラをライブステージで観覧できるようになったり、またはCDの録音などで聞ける機会が増えてきております。

このような背景は、ビバルディの死後、近代に至るまでに彼の残した作品の多くが、長年に渡ってこの世から忘れさられていた時代があったことを肯定せざるを得ないものとの理解になりますが、このあたりは後ほども触れますが、単に当時のビバルディを取り巻く音楽界のはやりすたれだけでの影響ではなく、ビバルディの作曲家人生において、計り知れない何か大きな転機があったものと理解される要素があったとも思われます。