ビバルディのバイオリン協奏曲集 作品12編(1)

ビバルディの絶え間ない協奏曲への創作意欲
バイオリン協奏曲集 作品12編(1)

ビバルディの創作としては、最後の協奏曲集となったこの作品12は、6曲から構成されており、これまでの協奏曲と同様に1曲が3楽章で作られております。

ここでは、とりわけ特徴ある曲として 独奏バイオリンのための協奏曲 第1番 ト短調 RV.317<第1楽章:アレグロ、第2楽章ラルゴ、第3楽章:アレグロ>を主に、ご紹介します。

尚、この曲はバイオリンの教則本で取り上げられている背景もあり、バイオリン演奏を志す方々には言わずともよく知られたゆかりのある曲でもあります。

第1楽章アレグロは、2/4拍子のト短調です、5つのトゥッティと4つの独奏パートから構成されております。

第2と第3トゥッティは、提示されたトゥッティとはまったく相違しており、なぜかビバルディとしては珍しくリトルネロではない形式としているところが1つの特徴となっております。

また、第4のトゥッティで提示されたトゥッティの第1動機を、最後のトゥッティで第2動機の演奏とするなど これまでのビバルディの協奏曲にはほとんど見られないユニークさが見られます。