ビバルディのバイオリン協奏曲集 作品12編(2)

ビバルディの絶え間ない協奏曲への創作意欲
バイオリン協奏曲集 作品12編(2)

独奏バイオリンのための協奏曲 第1番 ト短調 RV.317の続きとして、第2、第3楽章を記します。

第2楽章ラルゴは、 3/4拍子のト短調です。
最初に17小節のトゥッティがあり、2つのトゥッティの間に独奏パートがはいり、通常のビバルディの協奏曲の第2楽章によく形式化されている表現と思われます。
最後の7小節のトゥッティは、冒頭部のトゥッティが凝縮化されているものと思われます。

第3楽章アレグロは、 3/8拍子のト短調です。
5つのトゥッティと4つの独奏パートから構成されております。
対比的に第1楽章とは相違しており、通常のリトルネロ形式となっております。
また独奏パート美しく艶やかな旋律が含まれており、いつものビバルディの協奏曲らしい構成であると言えます。
また最後の独奏パートの箇所においては、移弦が必要となる特徴があります。

これらビバルディらしからぬ第1楽章を含んだ第1番ト短調ですが、ビバルディを知り尽くしたイ・ムジチ合奏団がどう表現してくれるのか、他の演奏と聴き比べてみるのも興味深いところです。