ビバルディ晩年の活動(2)

ビバルディ晩年の活動(2)
フェルラーラでのオペラ上演をめぐるトラブルについて

先に触れたように、晩年のビバルディは以前よりも更に、オペラの作曲と興行師の活動を精力的に継続していました。
この時期には、ベネチアの劇場でいくつかのオペラの上演を手かげる傍ら、1736年にグイード=ベンティボーリオ=ダラゴナ公爵の保護のもとに、フェルラーラにオペラにオペラ興行のための拠点を持ち活動を始めようとします。

また同年、ベローナでは歌劇「ウティカのカトーネ」RV.705を上演し、大成功を治め、経済的にもそれなりに安定していた時期であったものと思われます。

そんなこれとは対照的に、多忙な中でも新たに興行を予定していたフェルラーラのオペラ上演の準備(作曲、会場準備、歌手、後援者探し)を始めますが、最終的に他の作曲家の作品に変えられてしまい、準備にかかった費用が借金を生んでしまうなどのトラブルに巻き込まれてしまったのです。

これには、いくつか原因があった様ですが、多忙であったビバルディが後援者と意思疎通がうまく運ばず、楽譜の修正にも時間が掛かり、ようやく見つけた歌手達にも見かげられるなど、公爵との溝にも亀裂が入る事態にも陥ってしまうのでした。