ビバルディ晩年の活動(1)

ビバルディ晩年の活動(1)
「オペラ創作とピエタとの関係」

ビバルディは、1734年に歌劇「オリンピアーデ」RV.725を、ベネチアのサンタンジェロ劇場で初演し大成功を治めています。

この歌劇は先に触れたように楽譜が現存する貴重な作品の1つですが、それだけでなくとりわけ鍛錬されたビバルディの歌劇の中でも最高峰の作品であると称されております。

1735年にはピエタの合奏の教師職に復職し、2つの歌劇「バヤゼート」RV.703、「グリゼルダ」RV.718をなおも意欲的に作曲しております。

尚、この頃のピエタとの契約においては1720年代のそれとはかなり相違し、1704年頃、すなわち司祭になりたての時期の給料と同額とされるほど、ピエタの理事会から受ける敬意は完全に失せていたことから、これら歌劇への創作、上演による収益の確保に注力せざるを得なかったものと考えられています。

また歌劇「グリゼルダ」の創作においては、台本の解釈においてベネチアの劇作家のカルロ=ゴルドーニ(1709~1793年)の協力を得るなどして作品を完成しており、歌劇「アリスティデス」においてもこの劇作家との交友関係により完成した作品であったと言われております。

尚、コルドーニは、幼い頃に父親が上演していた人形劇に興味を寄せ作家になることを志し、八歳で最初の喜劇を書いたと言われるベネチアを代表する劇作家です。