ビバルディのフルート協奏曲集について(2)

ビバルディの絶え間ない協奏曲への創作意欲
フルート協奏曲集編(2)

このフルート協奏曲集は、アムステルダムの楽譜出版屋「ル・セーヌ」社から刊行されたと言われます。
出版社も営利を優先せざるを得ないために、風変わりな新しい思考要素を含む楽譜の発行には、大きな賭けのリスクを伴う事態にもなると考えるのが当然だったのです。
しかしながら、「調和の霊感」等を既にビバルディのこれまでの独創的な作品の数々を手かげてきた同社は、ビバルディの新たな取り組みを大いに信頼し、躊躇することもなく快く世に送り出すことに協力した環境があったことも、この曲集が現在広く世に広まり親しまれている根源にあると思われます。

第1番から3番までに続き、以下にその他の第4番から第6番の構成を記します。

第4番ト長調RV.435
<第1:アレグロ ト長調、第2:ラルゴ ト長調、第3:プレスト ト長調>、

第5番ヘ長調 RV.422
<第1:アレグロ・ノン・モルト ヘ長調、第2:ラルゴ・エ・カンタービレハ短調、第3:アレグロ ヘ長調>、

第6番ト長調 RV.437
<第1:アレグロ ト長調、第2:ラルゴ ト短調 第3:アレグロ・モルト>。

これらの3曲は、先の第1番から第3番のように主題は付けられていませんが、弦楽器で開花したビバルディの協奏曲創作の才能を、また異なる角度となる、フルートで垣間見ることができる作品と言えるでしょう。