先にご紹介したエルンスト公2世が作曲した6曲のバイオリン協奏曲のうち、バッハがオルガンに編曲したのは2曲となります。
これらは、協奏曲と言われておりますが、オルガンとオーケストラのための協奏曲ではなく、あくまでバッハ以外の音楽家が作曲した協奏曲を、バッハ自身がオルガン用に独奏曲として編曲したもので、今日オルガン独奏曲として知られております。
この背景には、当時新しい音楽の象徴は常にイタリアから発展してきており、イタリアの宮廷のみでなくドイツでもイタリア音楽が非常に愛好され、親しまれていた為であると思われます。エルンスト公2世の原曲版による2曲のオルガン協奏曲は第1番、第4番となります。
<第1番ト長調 BWV592>
第1楽章 (アレグロ)、第2楽章 グラーベ、第3楽章 プレスト
変化に富んだリズムや明るい旋律などを特色としており、快い魅力を湛えた当時既にヨーロッパ中のその名をはせイタリアバロックの最高峰であったビバルディ風の作品で全3楽章形にて構成されております。