バッハの生涯「若き日々のバッハ」(2)「ディートリヒ=ブックステフーデ」について

バッハの生涯「若き日々のバッハ」(アルンシュタットからリューベックへその2)
もう1人のバッハ「ディートリヒ=ブックステフーデ」について

(「若き日のバッハその1」から続いています。)

先に触れたディートリヒ=ブックステフーデ(1637-1707年)は、17世紀のドイツ(プロイセン)を代表するオルガニストで、作曲家でもありました。

その作品は声楽においては、バロック期ドイツの教会カンタータの形成に尽力しておりました。

またオルガン音楽においては、北ドイツ・オルガン楽派の最大の巨匠とも言われ、その作風は幻想様式の典型とされ音楽界に貢献したとされております。

なお、ブックステフーデは、1668年にリューベックの聖マリア教会のオルガニストに就任しております。

この教会のオルガンは、3段鍵盤、54ストップを備える大オルガンで、当時では銘器としての誉れが高まっていた背景もあり、同教会のオルガニストは北ドイツの音楽家にとって最も重要な地位の1つとされていたと言われております。

バッハも、このリューベックを訪れブックステフーデの壮大なオルガン演奏に魅せられ、深い感銘を受け後に自己の音楽創作において大きな影響を受けたと思われます。その作風は、後に紹介する「トッカータとフーガニ短調」BWV565等の作品の特徴に表れていると言われております。