バッハは1717年にケーテンに移住します。
しかしその間もなく、1720年には愛する妻マリーア=バルバラが病により突然、この世を去ることになるのです。
それでもバッハは最愛の妻を失いながらも、自ら悲しみから逃れようとするかのように、次々と新作を作曲するのでした。
「6つの無伴奏バイオリンソナタ」、「6つの無伴奏チェロ組曲」などがこの時期の代表的な曲となります。
これらの曲については、後に触れていきたいと思います。
この第22番は、1723年にバッハがライプツィヒ市にある聖トーマス教会におけるカントルの採用試験で演奏した曲であると言われております。
曲の構成は、四旬節の礼拝で演奏される形式です。またこのカントルの試験では、『汝まことの神にしてダビデの子よ』 BWV23も同時に演奏されております。
BWV22が新しい様式のカンタータを指向しているのに対して、BWV23は古い様式のカンタータとなっています。
しかしながら、現代でも広く世に知られている曲であるにも関わらず、実際に演奏される機会は極端に少ないのが現状であるのは残念なところです。