バッハのカンタータ第4番「キリストは死の縄目につながれたり」(4)

バッハのカンタータ第4番「キリストは死の縄目につながれたり」BWV.4(その4)
第3曲 第2変奏「死に打ち勝てる者絶えてなかりき」の解説

4/4拍子の構成で、ソプラノ・アルトの2重唱・通奏低音で演奏されます。
下降音型を基本とする「オスティナート」伴奏に合わせて、死を免れることができない人間
の罪を嘆き苦しむソプラノ、アルトの二重唱が澄みわたります。

この二声は時おり不協和音を織り込みながらも、すべてをあきらめたかのような感覚を暗示する物静かな歌を奏でていきます。

しかしながら、人間が死の恐怖を感じて苛まされるという暗いモチーフを歌っているにも関わらず、ひときわ煌びやかさすら感じる事ができる旋律の美しさが、このソプラノとアルトの二重唱に表現されているのではと受け取れます。

なお、「オスティナート」とは、ある種の音楽的なパターンを続けて何度も繰り返す事です。
音楽技法では、少なくともある種のリズムパターンの反復が行われますが、最も典型的なオスティナート技法では、リズムのみでなく音程や和声も反復される場合が多いのです。