バッハのカンタータ第4番「キリストは死の縄目につながれたり」(5)

バッハのカンタータ第4番「キリストは死の縄目につながれたり」BWV.4(その5)
第4曲 第3変奏「イエス・キリスト、神の御子」

4/4拍子の構成で、テノールの独唱・バイオリン・通奏低音により演奏されます。
突然嵐のようにけたたましく鳴り響く伴奏が、冒頭を飾ります。

死という人類の永遠の恐怖に対して戦い抜こうと誓う強い精神力を表現しながらも、イエス=キリストを称えるという歌詞が奏でられます。

これに続いて、快活なテノールの独唱が始まりますが、このテノールの旋律は讃美歌を基本とした構成となっており、また合唱では、人類が生きる証としての「生命」と恐れを抱き続ける「死」へ想いの戦いが激しく競い合う対位法による創作が織り込まれているところに、その特徴があります。

そしてこの激しい伴奏が、これまでの旋律を一掃するように静まり変えると、人類との戦いの果てに討ち裂かれた死の残骸を表現する旋律が淡々と歌い上げられます。

そして曲のクライマックスとなるハレルヤでは、神が人類の身代わりになったことを受け救われ、人類が神の御加護を受けて死に打ち勝った喜びと神への感謝の意を表す合唱が響き渡るのです。