バッハの「トッカータとフーガニ短調」BWV565

バッハの「トッカータとフーガニ短調」BWV565(その1)

バッハのカンタータを紹介してきている途中となりますが、アルンシュタット時代あるいはミュールハウゼン時代に作曲されたと推測されている「トッカータとフーガニ短調」BWV565を紹介します。

実際には、正確な作曲年数は解明されていませんが、おそらく(1707~1718年頃)であろうと言われております。

「トッカータとフーガニ短調」は、世界で広く知られている多くのバッハの作品のうち、最も代表的なオルガン曲で、特に人気の高い作品のひとつでもあります。

なお「トッカータとフーガニ短調」は、大きく分けて、トッカータ部とフーガ部にて構成されています。

トッカータ部のその冒頭は衝撃的な旋律で始まり、小刻みに音程が変わり、比較的早いテンポで端切れよく演奏されますが、どこか重々しくかつ荘厳な音程が特徴的です。

フーガ部は、バッハ初期の作品でもあるせいか、旋律がどちらかというとシンプルな構成であり強いインパクトはそれほど無いと感じられますが、強音、弱音が連続性を持つことで、曲に厚みを持たせていると思われます。

原曲は、オルガンではなくバイオリンであると言われておりますが、現代ではピアノで演奏されることもしばしばで、自己の悲しみを表現する場において他者に共感を得ようとするモチーフで広く親しまれてもいる点がユニークであると思われます。