バッハのブランデンブルク協奏曲(その5)第4番ト長調

ブランデンブルク協奏曲(その5) 
第4番ト長調BWV.1049

この曲の特徴は、独奏バイオリンが第1から第3楽章まで至る個所で技巧的な旋律を奏で聴かせどころがあるので、あたかもバイオリン協奏曲のような構成にすら思えるところにあるかと思われます。

楽器編成としては、弦楽器群のバイオリン2台、ビオラ1台、チェロ1台、ビオローネ1台、ハープシコードで演奏されます。
また独奏楽器としては、バイオリン、リコーダ2台が使用されています。

第1楽章「ト長調アレグロ3/8拍子」は、1度聴くとどこか暖かみと馴染み深さを感じさせられる曲調で、独奏バイオリンとリコーダ2台が明朗でゆったりとした旋律を展開していきます。

第2楽章「ホ短調アンダンテ3/4拍子」は、全合奏で独奏のバイオリンとリコーダ2台が同じ旋律を強弱を付けて交代に演奏しながら絶妙な喧騒と静寂の効用効果が引き出されており、バッハの奥の深い音の世界が繰り広げられています。

第3楽章「ト長調プレスト2/2拍子」は、冒頭からビオラによる主題が奏でられると、バイオリン群へと引き継がれていき、通奏低音も加わり対位法が主体となった形式(フーガ)となっています。

尚、このフーガは、カノンと同様に、同じ旋律意図的に複数の声部に順次含めていくという特徴がある形式です。
この部分は、主題提示部、または単に提示部、主部と呼ばれたりします。

また各パートでは、バイオリンとリコーダの独奏楽器群の技巧的なトゥッティが、合奏楽器群と織りなす旋律の流れが聴きどころでもあり、曲の締めくくりに相応しい構成であると言えるかと思われます。