バッハの「平均律クラヴィーア曲集」 第1巻

バッハの「平均律クラヴィーア曲集」 第1巻(その1)
 
平均律クラビィーア曲集は、前奏曲とフーガから構成されたバッハの鍵盤楽器のための作品集です。

ここで紹介する第1巻の他に、第2巻があり、双方共に24曲の構成で、第1番から長調、短調が交互に作曲されているというユニークな作品です。

第1巻 (BWV846~869) は ケーテンでの創作活動時代の1722年頃の作品と言われています。
第1巻に対して、第2巻 (BWV870~893)も 作曲されており、これはライプチヒでの創作活動時代である1744年頃に完成した作品であると言われております。

尚、第1巻は単独に作曲された曲集ではなく、その多くはバッハの作曲した既存の前奏曲や、フーガを編曲して集成されたものとなります。特に前奏曲の約半数は、1720年に息子の教育用として書き始められた「ウィルヘルム=フリーデマン=バッハのためのクラヴィーア小曲集」に、「プレアンブルム」として含まれています。

第1巻には、様々な様式のフーガが見られ、嬰ハ短調 BWV849や3声のフーガである嬰ニ短調 BWV853は、高度な対位法が駆使された傑作として知られています。

また、現代ではピアノの演奏を学んでいる人々にとっても重要な曲集の一つとなっているのです。