バッハのブランデンブルク協奏曲(その7)第6番変ロ長調

ブランデンブルク協奏曲(その7)
第6番変ロ長調BWV.1051

この曲では、独奏楽器群が用いられていなく弦楽器群との区別がないという特徴で、バッハら
しい重みのある堂々とした曲調で構成されています。

楽器編成としては、ビオラ・ダ・ブラッチョ2台、ビオラ・ダ・ガンバ2台、通奏低音、チェロ、以上により演奏されます。

第1楽章「変ロ長調 2/2拍子」は、2台のビオラが冒頭から最後まで主導的にカノンによる演奏で活躍します。

第2楽章「変ホ長調 アダージョ・マ・ノン・タント 3/2拍子」でも、2台のビオラが中心になり、抒情的な要素が主題とされた旋律により構成されており、ブランデンブルク協奏曲の
緩徐楽章の中で唯一となる長調で形式化されています。

第3楽章「 変ロ長調アレグロ 12/8拍子」では、2台のビオラが主体となり軽快かつ堂々とした曲調を基本としたシンコペーションが、個人的には印象深いところになっているのではないかと思います。

尚、シンコペーションとは、ひとつの音がより劣位の拍からより優位の拍に鳴り続けることによって生じるリズムのことです。

以上6曲を紹介してきましたが、それぞれの曲がインパクトのある、けしてその他の作曲の作品には見られない特徴を持ち合わせているのです。

これは当時イタリアなど、クラシック音楽界の最先端を進んでいた音楽をバッハが意識し、これらを自分の作品に意図的にうまく融合させることで、バッハ独自の音楽の世界を展開し発展させた結果の産物であるとも思われます。

この辺りが、今でも広く深く愛されているバロック音楽のどこか新鮮さとバッハの神秘的な音の世界が現代の人の心を掴んで離さない根拠であるのかもしれません。