バッハがケーテンで作曲した他の作品
先に触れたようにバッハのケーテンでの作曲活動としては、ブランデンブルク協奏曲に留まらず多くの協奏曲を創作しており、ここではケーテン時代の代表的な作品についてさらに紹介していきます。
まず、バッハの多数の作品の中では,数少ない楽曲の類になるバイオリン協奏曲について触れます。
バッハはその生涯に5つのバイオリン協奏曲を作曲したと言われておりますが、現在でも残存するのは3曲だけで、第1番、第2番は独奏バイオリンを主体とした演奏による構成ですが、第3番は唯一2つのバイオリンを主体とした作品となっているのです。
気になる残りの2曲は、現在も存在するのか否か、その楽譜の行方は不明のままとなっており、バッハの作品の中でも希少なバイオリン協奏曲であるが故に、バッハの作品をこよなく好む愛好家達にとっては、全く残念で仕方が無いとしか言いようがない面持ちであると思います。
さて、バッハのバイオリン協奏曲の特徴として、特に2つのバイオリン協奏曲は、この時代の協奏曲が舞曲をモチーフとした形式による楽章を含めて構成するのが主流であったのに対して、2種類の独奏楽器が同主題を演奏するというもので、バッハよりも後世に確立されたソナタ形式による協奏曲の形式とは異なっているところにあると言えるでしょう。
この点、古典派時代にまず協奏曲におけるソナタ形式を確立したモーツアルトなどの初期の作品に多大な影響を与えた作品であると言えるのではないかと思われます。