この曲は、前の節で少々触れましたが、ブランデンブルク協奏曲が創作されたバッハのケーテンでの音楽活動時期である1718年頃に作曲されたものであるとされています。
しかしながら近年では、ライプツィヒの活動時期に作曲されたものではないかと言う説が浮上してきている背景もあり、その作曲時期をめぐり非常に興味深い由来のある曲でもあるのです。
「2つのバイオリンのための協奏曲」の楽器編成は、独奏バイオリン2台、弦楽器群(ビオラ、チェロ)、通奏低音で演奏されます。
第1楽章は、「二短調、2/2拍子、ビバーチェ」で、冒頭では独奏の第1バイオリン以外の全合奏から始まり、続いて第2バイオリンが主題を奏で、第1バイオリンがこれを追っていくような形式で演奏され、二短調とはいえ全体に明朗さすら感じられます。
「2つのバイオリンのための協奏曲」の特徴としては、バイオリンの独奏パートにて第1バイオリンの旋律を、第2バイオリンがカノン風に奏でることで、カノン風の対位法による形式より構成された形式にあるかと思われます。
なお、弦楽器群による合奏は、冒頭で出てきた主題を奏でる引き立て役を演じながらも、最終章では、全合奏によるメリハリさを感じさせ、1度聴いただけでも何ともインパクトのある音程と、その旋律が巧みに表現されていることに気付くことでしょう。