前回に続き、バッハの「2つのバイオリンのための協奏曲 二短調」の第2楽章についてとなります。
第2楽章は「ヘ長調・12/8拍子、ラルゴ・マ・ノン・タント」で、主に3つの構成からなります。
第2楽章の冒頭は、第1楽章と同様に第2バイオリンが主題を奏でると、続いて第1バイオリンも同主題を交互に追奏していくという対位的で優雅な旋律が特徴です。
全楽の合奏部になると2台の独奏バイオリンらは、伴奏の旋律を奏でる役目になり、第2部では、短い小節ながらもこじんまりと16音符の追奏での変化が見られる構成となっており、ほど良い加減で耳に残る聴かせどころになっています。
第3部では、これまでの主題がイ短調となりますが、ここでの追奏は第2バイオリンの独奏がよりも高い音階で第1バイオリンの旋律が奏でられ、ややもすると冒頭との相違性が無い、あたかも同じような対位法で聴こえてくる感覚になりますが、多少なりともその相違性に気が付かされるはずです。
曲は、このように冒頭の曲調をかもしだいながらも、静寂につつまれるように終曲していきます。