バッハの「6つの無伴奏バイオリンソナタ第1番」第2曲「パルティータ第1番ロ短調」(その3)

バッハの6つの無伴奏バイオリンソナタ第1番
「パルティータ第1番ロ短調」BWV.1002(その3)

「パルティータ」は、17世紀から18世紀にかけて創作された器楽曲です。
17世紀の間は、ほとんど変奏曲と同じ枠組みで考えられていましたが、時代と共に双方の明らかな相違性が唱えられるようになったのです。

まず変奏曲は、その大部分の各楽章が独立している構成で、ある程度の曲長などの規模があるのに対して、パルティータは各パートが比較的こまぎれであり、独立性もなく、またほぼ節目が無く次のパートへと繋がっていくとの点が、その主な理由と言えるところです。

またバッハの活躍したバロック音楽時代においては、共通の主題やモチーフなどによって、統一性をもって構成された「組曲」という名称を含んだ曲想として変化しましたが、バッハ自信はオルガンなどの鍵盤楽器において、古来からの用法を取り入れるようにしていたと言われています。

なお、バッハの第1番のパルティータにおいては、各楽章に変奏が付いている特徴があります。

第1楽章「アルマンダ・ロ短調4/4拍子」は、重音奏を頻繁に用いた荘厳な仕上がりです。

第2楽章「コレンテ・ロ短調4/3拍子」は、移弦(ボウイィング)が多用されている特徴があります。
これは「運弓法」ともいわれ、弦楽器にあって弓を如何に動かすかという技巧のことで、バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスなどの弦楽器など、弓や弦の位置、接触させる、つまり弓を傾ける角度、弓を動かす方向、弦に加える力の強さ、弓を動かす速さによって音の強さや音色が変わることを利用する方法によるものです。

第3楽章は「サラバンドロ短調4/3拍子」、第4楽章「ジーグ・ロ短調2/2拍子」は、第1楽章と同じように絶妙な重音奏が多用されています。