第3曲「ソナタ第2番イ短調」BWV.1003(その4)
この作品集で2番目のソナタも、やはり以下に記す4楽章構成でできています。
第1楽章「クラーベ イ短調 4/4拍子」は、ゆったりとした早さで堂々とした威厳のある面持ちが感じられます。
また、他の2つのソナタである第1曲、第5曲よりも高音、低音の音域の差をうまく施すことで、この時代にあまり見られない独特の曲に仕上がっています。
第2楽章「フーガ」イ短調 2/4拍子」は、非常に長い楽節で構成されたフーガがあり、主だった休止が見られなく継続的な演奏が施されており、何か底から湧きがってくるようなエネルギッシュな旋律から躍動感を感じとることができます。
第3楽章「アンダンテ ハ長調 3/4拍子」は、1台のバイオリンで、1つの旋律とまたその他に通奏低音のパートを弾くというユニークな形式があり、移弦(ボウイング)の高度演奏技巧が必要とされます。
1つの旋律は、執拗音型(ある種の音楽パターンを続けて何度も繰り返す事)の特徴を持っているのに対して、別の旋律は叙情的な曲調になっています。
第4楽章「アレグロ イ短調 2/2拍子」は、この曲の締めに相応しい速めのテンポなのですが「マ・ノン・トロッポ」に近い演奏で表現されている様に思われます。