バッハの「平均律クラヴィーア曲集」 第2巻(その5)に続いて、第2巻の全体像を更に掘り下げて触れてみたいと思います。
第2巻の曲集では、第1巻よりも更に緻密で技巧性に富んだ前奏曲が見られます。
特にニ長調 BWV874、へ短調、BWV881、変ロ長調 BWV890では、古典派のソナタ形式の前進であることを思わせる形式になっているという点に関心が深まります。
これらの前奏曲には、バッハ自身のオリジナリティーによる優れた研ぎ澄まされた即興的な演奏を醸し出す要素が強く感じられる様に思われます。
なお、ここでは、平均律クラビィーア曲集第2巻の全24曲の詳細を1曲ずつ聴いていきたいところですが、第1巻同様に膨大な曲集でもあるので、下記のように全体像までを追うこととします。
勿論次回は、当曲集の一構成を成すフーガについても、その全体像について触れていきます。
前半の8曲は、以下のとおりです。
1.BWV870 前奏曲 - 3声のフーガ ハ長調、
2.BWV871 前奏曲 - 4声のフーガ ハ短調
3.BWV872 前奏曲 - 3声のフーガ 嬰ハ長調、
4.BWV873 前奏曲 - 3声のフーガ 嬰ハ短調
5.BWV874 前奏曲 - 4声のフーガ ニ長調、
6.BWV875 前奏曲 - 3声のフーガ ニ短調
7.BWV876 前奏曲 - 4声のフーガ 変ホ長調、
8.BWV877 前奏曲 - 4声のフーガ 嬰ニ短調