バッハの「6つの無伴奏バイオリンソナタ」 第5曲「ソナタ第3番ハ長調」(その6)

6つの無伴奏バイオリンソナタ 
第5曲「ソナタ第3番ハ長調」BWV.1005(その6)

この作品集で3番目となるソナタも、第2番と同様に4楽章形式からなる曲の構成となっていま
す。

この曲の特徴は、第2番ほど旋律に華やかさは見られませんが、6つの無伴奏バイオリンソナタの曲集の中で、唯一の長調で作られているところにあります。
また、典型的な教会ソナタの形式の影響を色濃く映し出している曲であると言えます。

第1楽章は「アダージョ・ハ長調、3/4拍子」、第2楽章は「フーガ・ハ長調、 2/2拍子」でここで登場するフーガは354小説からなる長大なものです。
またこのフーガは、バッハの全ソナタの中でも最も長大で、この曲の最大の魅力でもあり、聴くものを圧巻させるところがあるのです。

第3楽章「ラルゴ・ヘ長調、4/4拍子」、第4楽章「アレグロ・アッサイ、 3/4拍子」となります。
またフーガの主題になっているのは、古く名高いコラール「来たれ、聖霊よ」を用いられており、バッハの精巧で緻密な音楽感を表現する為の効用効果がよく表現されているものと思われます。

ここでの演奏は、ギドン=クレーメルも良いのですが、個人的にはイツァーク=パールマン(1945年:イスラエル出身のバイオリニスト、20世紀最大のバイオリニストと称されている)の演奏をお薦めします。