バッハの6つの無伴奏チェロ組曲-第1組曲ト長調「第1曲~第3曲」

バッハの6つの無伴奏チェロ組曲
第1組曲ト長調 BWV.1007 「第1曲~第3曲」 (その1)

6つの無伴奏チェロ組曲-第1組曲ト長調 BWV.1007のまず「第1曲~第3曲」について紹介します。

①第1曲「前奏曲、プレリュード」、4/4拍子。
即興曲的な要素で構成されており、また比較的に自由な形式の曲調が含まれています。
分散型の和音が次々と移り変わっていく特徴もあり、ここがロドルフ=クロイツェル(1766~1831年、フランスのバイオリニスト・作曲家・指揮者でもあった)のバイオリニストのための練習曲集の第13番目に引用されており、全曲中でも最もよく知られる曲でもあります。

②第2曲「アルマンド」、二部形式、2/2拍子。
プレリュードと共に、本来は舞曲であるが、バッハの活躍したバロック音楽時代では、既に舞曲的な要素は無く、穏やかな曲調でまとめられています。

③第3曲「クーラント」、二部形式、3/4拍子。
軽快なリズム感のある舞曲で構成されています。
また、演奏自体は少し早めのテンポですが、実は演奏速度の指示が無いのです。
これは、本来の舞曲が持つ独自のテンポで演奏されることをバッハが目的にした創作性があったものと思われます。
この特徴は、以降第4曲から第6曲にも見られる共通した内容でもあるのです。