バッハの「6つの無伴奏チェロ組曲」

バッハの「6つの無伴奏チェロ組曲」 BWV1007 ~1012 (作曲の背景)

1720年、バッハは依然としてケーテンでの宮廷楽長の職にありました。
前にも少々触れましたが、ケーテンでのバッハの創作活動においては世俗的な器楽曲を多く残しており、意外にも教会音楽の方があまり作曲されていないのです。
それは、この背景にケーテンの宮廷に宮廷楽団があった為であると言われています。

バッハはケーテンで、この宮廷楽団と深い関わりを持っていたのです。
楽団の一員となり自ら室内楽を演奏をしたり、楽団を指揮するなどの活動をしていた背景があるのです。

また、この宮廷楽団は小規模ながら当時の弦楽器奏者としては名高い名手が何人が所属していた事もあり、バッハの器楽曲として大変重要な位置付けにある作品の多くは、ケーテン時代にこの宮廷楽団のとの音楽活動をとおして生まれたものであったのです。

6つの無伴奏チェロ組曲(BWV.1007~1012)も、この楽団の一員であったチェロ奏者の為に作曲されたものだと言われております。

特にチェロを主体にした曲はあまり創作されていないので、特に貴重な作品であるのです。

なお、近代ではパブロ=カザルス(1876~1973年 スペインのチェロ演奏家、指揮者、作曲家)によって再発掘されて以来、チェリストの中では聖典的な作品と見なされるようになっているのです。