バッハの「インベンション」 BWV772~786(その1)

インベンション BWV772~786(その1)

バッハの後期ケーテンでの創作活動において、忘れてはならないのがインベンションです。
バッハは、インベンションを1723年頃にクラビア用に作曲しており、曲自体は全部で15の曲から構成されています。

またバッハは、この曲集を実の子供であるウィルヘルム・フリーデマン(長男)や、また弟子達に教育をするために作曲したものと言われています。

なお、インベンションとは、創作や着想などの意味を称しており、2声体の鍵盤楽曲で演奏される器楽曲で、イタリアやドイツを中心にバロック時代に確立、流行した音楽の1種でもあります。
特徴としては、2声の「カノン」、「フーガ」などポリフォニーの技法が含まれているところです。

また、一見すると簡潔な曲調に聞こえますが、そのなかに大変高度な作曲技法が盛り込まれており、バッハにとっては演奏技法だけでなく作曲技法をも含めて教育する為の、曲集であったと思われます。現代ではピアノ学習者にとって必須の曲集でもあるのです。

1曲1曲は短い小曲ですが、聴きごたえのある作品集です。

バッハの「6つの無伴奏チェロ組曲」 第3組曲ハ長調 「第5曲~第6曲」

バッハの「6つの無伴奏チェロ組曲」-第3組曲ハ長調 BWV.1009 「第5曲~第6曲」
6つの無伴奏チェロ組曲 -第3組曲としては最後になりますが、第5曲、第6曲を紹介します。

この第3組曲のその他の特徴として、これまでの第1組曲と第2組曲では第5曲において「メヌエット」とを配列する構成としていましたが、「ガボット」としているところにあります。

⑤第5曲「ガボット」 I/II三部形式、2/2拍子。
第1と第2のガボットから構成されています。
また、これまで第1組曲、第2組曲で5曲目に配列されていた「メヌエット」と同様に第1ガボットが反復される事なく演奏される特徴があります。

なお、この5曲目は、明朗かつ軽快でリズミカルな旋律が際立っており、随所に親しみ易い曲調を含んでいる為か、多くの人によく知られており、第3組曲の中核となる曲でもあるのです。

また、第2のガボットは、第1ガボットよりもより多様的に発展した旋律となっています。

⑥第6曲「ジーグ」二部形式、6/8拍子。
荘厳な旋律が特徴的で、聴く者を圧倒する勢いがあり、終曲に相応しいバッハの壮大な音楽感が満ちあふれた曲調となっています。